現地時間5月6日、世界的アーティスト・Princeの追悼コンサートがロサンゼルス市庁舎で行われ、数千人にものぼるファンが集結しました。
同イベントにはStevie Wonderをはじめとする数多くの大物が参加し、集まったアーティストたちとファンたちが一体となってPrinceがこの世に残した名曲を大合唱するといった場面も見られるなど、愛に包まれたイベントとなったようです。
世界的スターの突然死という衝撃のニュースが我々を驚かせてからまだほんの20日ほど。
今もなお、多くのファンが彼の居ない朝を迎え、癒えぬ悲しみを抱いていることでしょう。
ということで今回のSOUL iNDEXでは、今は亡きスーパースター・Princeに焦点を当て、彼に憧れ、心酔し彼を愛した多くのアーティストたちが披露した追悼パフォーマンスをピックアップしてご紹介します。
故人を想う熱い気持ちを胸に心のこもった歌声を披露するアーティストたちの姿を、ぜひ確認してみてください。
それでは早速参りましょう!
Stevie Wonder — Rocks L.A. City Hall with ‘Purple Rain’
ファン数千人が詰めかけた同イベントにはStevie Wonderの他、Eric BenetやAloe Blaccなど有名アーティストが多数参加しています。
Stevie先導の下で会場全体の大合唱となったのが、Princeの代名詞ともいえるナンバー”Purple Rain“。
たくさんの人々に愛された楽曲、そして人物だったことが伺えます。
D’Angelo ft. Princess: Sometimes It Snows in April
続いてはデビュー当時から自身のルーツとしてPrinceの名前を挙げることの多かった正真正銘のPrinceチルドレン・D’Angelo。
テレビ番組の中でD様が披露した”Sometimes It Snows in April“は、1986年のPrince主演映画『Prince under the Cherry Moon』の中でも使用されており、物語のクライマックスを彩る名曲としても多くのファンに親しまれている作品です。
自身のピアノと歌、そしてコーラス二人を従えるのみというシンプルな編成で真っ直ぐ、繊細に音を紡ぐD’Angelo。
こみ上げた想いから思わず歌がストップする場面もあり、彼のPrinceに対する純粋なリスペクトを見て取ることができます。
相手への敬意を音楽でここまで実直に表現できるなんて、いやー美しいですね…。
Gregory Porter & Guests – Tribute to Prince – Purple Rain – Later… with Jools Holland – BBC Two
ここでもういっちょ、いってみましょう”Purple Rain“。
ということで、BBCの番組内で同曲を披露したのは今月頭にリリースした新作『Take Me To The Alley』の評判も上々なジャズ・シンガー・Gregory Porter。
時に語りかけるように、時にダイナミックに歌い上げる彼流の”Purple Rain”、オリジナルとはまた一味違う雰囲気ですが、これもまた素晴らしい!
一見異なるムードを持ったPrinceの楽曲を難なく自分のものとしてしまうGregoryのセンス、柔軟性と、どんなアーティストにカヴァーされてもその魅力を決して損なわせない楽曲の強い力、Princeの作曲家としての天性を同時に伺い知れる名パフォーマンスです。
Mariah Carey – One Sweet Day, live in Paris (AccorHotels Arena) – Dedicated to Prince
続いてご紹介するのはカヴァーではありませんが、自身の楽曲を大切な友人であったPrinceに捧げ彼を弔った歌姫・Mariah Careyの映像です。
友の死のニュースを聞いた直後パリでの公演に立ったMariahは、ステージ上で観客と共に黙とうを捧げ、「本当に素晴らしい人だった」と彼の死を悼みました。
その後「今日はとても悲しい日だけど、私たちはこれからもずっと大切にされる人の人生を覚えておきましょう」と自身のヒットソング”One Sweet Day“を紹介し、「あなたが天国から私を照らしてくれているのは分かっている」という歌詞が綴られた同曲を涙ながらに歌い上げました。
二人の深い人間関係を感じさせるステージ、鳥肌が立ちます。
Paul McCartney – Hometown tribute to Prince
続いてはPaul McCartneyがPrinceの故郷で披露したパフォーマンスをご紹介します。
今月4日、Princeの故郷である米ミネソタ州ミネアポリスで公演を行ったPaulは、名曲”Let’s Go Crazy“を即興でカヴァー。
同時代を生きた偉大なミュージシャンとの別れをポップに演出しました。
Prince Tribute – International Jazz Day 2016 feat. Aretha Franklin & HerbieHancock
最後は先月末に行われた国際的ジャズ・イベントでの一幕をお届け。
ユネスコと、ユネスコ親善大使をつとめるピアニストのHerbie Hancockが2012年から毎年4月30日を「International Jazz Day」に制定し祝祭イベントを行うようになって今年で5年目。
今年のステージ上でHerbieはPrinceの早すぎる死について口を開き、彼の栄光を称えました。
そしてその後、Herbieと豪華アーティストたちによる夢の共演が実現。
Robert GlasperとHerbie Hancock、今日に至るまでのジャズ界の歴史を語る上で欠かせない革命児二人が同じステージで演奏するなんてこれも相当レアなのでは?
魅惑的なアレンジをほどこされた数々のヒット曲メドレー、そしてクライマックスにはなんとAretha Franklinが登場!
アメリカ全土、いや世界中が見守り、かつ客席にはオバマ大統領の姿も確認できるこの国際的な場で歌われた”Purple Rain“。
なんかもう、国歌斉唱かな???ってレベルの荘厳さに驚かされます(笑)
さていかがだったでしょうか?
偉大な人を亡くしたショックから世界が抜け出すにはまだもう少し時間がかかりそうですが、それにしても本当に多くの素晴らしい音楽を世に残してくれたPrinceに残された我々音楽ファンからはもう感謝しかありませんね。
様々なアーティストたちの言葉や追悼パフォーマンスをきっかけに、アーティスト・Princeに今一度魅了されてしまった人も多いのではないでしょうか。
ということで今日はここまで!
SOUL iNDEX、また次回~!