今回のSOUL iNDEXは、これまで音楽史を彩ってきた歴代の偉大なシンガーたちに捧げられた「トリビュートアルバム」を大特集!
豪華アーティストたちが集結した名盤の数々をご紹介したいと思います。
参加アーティストそれぞれの愛とリスペクトがたっぷりと詰まった濃密な世界観をお楽しみください。
それでは早速参りましょう!
『Interpretations: Celebrating the Music of Earth, Wind & Fire』
まずは2007年にリリースされたEarth, Wind & Fireのトリビュートアルバム『Interpretations』。
同年に奇跡の復活を果たした伝説のレーベル・STAXがカムバック第一作目としてリリースしたこのトリビュートアルバムには、大御所Chaka Kahnにはじまり、Kirk Franklin、Ledisi、Angie Stone、それにLalah Hathaway、Musiq Soulchild、さらにはMe’Shell Ndegeocello、Mint Conditionまで!実に錚々たる面子が勢ぞろいしています。
この並びを見るだけでも凄い迫力…!!!
タイトルに”Interpretation(解釈)”を掲げるだけあって、単なる「カヴァー」というよりはかなり攻めたアレンジに取り組んだアグレッシブな楽曲が多数収録されているのが本作の面白いところ。
先にご紹介したMe’Shell Ndegeocello版”Fantasy”なんかもその最たるものですね。
イントロだけじゃ何の曲か絶対わかんないもんなコレ…(笑)
『Nina Revisited…: A Tribute To Nina Simone』
続いては先月リリースされたばかり、シンガー・Nina Simoneのトリビュート作『Nina Revisited…』をご紹介します。
1933年に生まれ、黒人女性シンガーソングライターの草分け的存在として活躍した彼女のトリビュートアルバムには、Ms.Lauryn Hillをはじめ、Usher、Common、Mary J. Blige、さらにはNinaの実娘であるLisa Simoneも参加するなど、こちらも多彩な顔ぶれが揃いました。
Ms.Lauryn HillはRobert Glasperと共に今作のプロデュースにも関与しています。
実力派たちが本気で挑んだ、極上のトリビュートアルバム。絶品です。
『Power Of Soul: A Tribute To Jimi Hendrix』
2004年にリリースされた『Power Of Soul』は、伝説のミュージシャン・Jimi Hendrixに強い影響を受けた様々なアーティストたちが集結し、それぞれの「ジミヘン愛」を炸裂された芳醇なトリビュートアルバム。
Lenny Kravitz、Eric Clapton、Santana、Princeなど、お口あんぐりな超ウルトラ級のアーティストが作品を彩ります。
もうこの面子を見るだけでウキウキしちゃいますね。
オリジナルとはまた一味もふた味も異なる魅力に包まれたスターたちそれぞれの「ジミヘン」が楽しめちゃう見逃せない一枚です。
ちなみに同作に収録されたMusiq Soulchildが歌う”Are You Experienced?”は、第47回グラミー賞の最優秀アーバン/オルタナティヴ・パフォーマンス部門にノミネートされるといった快挙も成し遂げました。
『RIVER: the joni letters』
続いてご紹介するのはジャズ界の巨匠・Herbie Hancockが自身の名義で2007年にリリースした、Joni Mitchellに捧げるトリビュートアルバム『RIVER』。
Joni Mitchellといえば、もはやシンガーというよりは「芸術家」と言ってしまいたくなる、泣く子も黙る伝説の女性シンガーソングライター。
しばらく活動が途絶えていた彼女の再起を祝して制作が進められた今作には、Norah Jones、Tina Turner、Corinne Bailey Raeなど個性豊かな歌姫たちが数多く参加しています。(ちなみにJoni本人も一曲参加)
またバンドメンバーもこれに負けず劣らず豪華な顔ぶれ。
リーダーのHerbieを筆頭に、Wayne Shorter(Sax)、Dave Holland(Ba.)、Vinnie Colaiuta(Dr.)、Lionel Loueke(Gt.)と、過去から現在に至るまでのジャズ・シーンを牽引してきた凄腕たちが集結し、作品をがっちりと支えてします。
ぜひとも全編を通してじっくり味わってほしいアルバムです。
Herbieのキラキラと流れるようなピアノ・サウンドに、歌姫たちの透明感溢れる歌声に、これはもう胸キュン必至。。。
『You’re All I Need – Brian Owens Sings Marvin Gaye』
お次はシンガーソングライター・Brian Owensが自ら「強い影響を受けた」と語るソウル・レジェンド・Marvin Gayeのトリビュートアルバム『You’re All I Need』。
Marvinの没後30年に当たる2014年にリリースされたこの作品は、彼から受け継いだBrianのソウルフルな歌声と研ぎ澄まされたサウンドで聴かせる、ソウルへの愛がたっぷりと詰まった一枚。
表題曲”You’re All I Need”では、今注目の日本人ソウル・シンガー・Nao Yoshiokaと共演しています。
『Yesterday I Had The Blues: The Music of Billie Holiday』
最後は今年2月にリリースされた、新世代ジャズ・シンガー・Jose JamesからBillie Holidayへと捧げられたトリビュートアルバム『Yesterday I Had The Blues』。
Joseと最高のピアノトリオが奏でる珠玉の名曲たち。
本作は伝説と謳われるジャズ・シンガー・Billie Holidayの生誕100周年を記念して制作が進められました。
Jose Jamesといえば、ジャズ界のみならずクラブ・ミュージック、ソウル、Hip-Hopなどジャンルの壁を超越したサウンドを巧みに融合し表現するその器用さ、優れたバランス感覚に目がいきがちですが、このアルバムで見せつけられる彼の「ジャズ・シンガー」としての本気、これがほんとーーに凄いです。圧巻。
収録曲はいずれもBillieの愛唱歌として知られるジャズ・スタンダード。
うっとりと聴き入ってしまうこと間違いなしの極上作です。
さていかがだったでしょうか?
それまで知らなかった様々なアーティストたちの意外なルーツや絆、愛、そしていつもとは一味違うパフォーマンスで魅せてくれる「トリビュート・アルバム」。
気になった作品はぜひアルバムまるごと聴いて、作品をとりまくアーティストたちのエネルギーを体感してみてくださいね。
ということでSOUL iNDEX、本日はここまで!
また次回~!