音楽作品に欠かせないのが、作品の顔となるCD/レコードのジャケット。
正方形のキャンヴァスから生まれた名作は数知れず、それぞれの作品はこれまでの長きに渡る音楽史を鮮やかに彩ってきました。
そして、音楽作品のジャケットはいつからか他ジャンルのアーティストからも芸術の対象として注目を集めはじめます。
今では様々な分野のアーティストたちが己の手法を使ってジャケットをアートとして現代に蘇らせ、人々に新たな作品の見方を与えてくれるようになりました。
ということで今回は、有名なCDジャケットをもとに生まれたアート作品まとめ!
各アーティストが細部にまで徹底したこだわりを見せ出来上がった作品は、どれも思わず唸ってしまうほど完成度の高いものばかりです。
そう、音楽好きなあなたにこそ見てもらいたい!
というわけで隅々までよ〜くご覧ください。
①あの作品の「裏側」
Hervezt氏が手がけるシリーズ『The Dark Side of the Covers』が私たちに見せてくれるのはあの名作ジャケットの「裏」で起こっていた出来事。
事実に基づき、そして更にユニークな想像力と確かな画力が発揮されることで実現したそれぞれの舞台裏はどれも納得の出来栄え。
たとえば、
Beatles – 『Abbey Road』
こちらは、お巡りさんが見張る中僅か10分で撮影されたという当時のエピソードが元になったもの。
Deep Purple – 『in Rock』
裏側には、表側から幾分時間が経ったと見られる様子が描かれています。
停まっているバイクは誰のものでしょうか。
Metalica – 『Master of Puppets』
アメリカのヘヴィメタバンド・メタリカの代表作であるこちらの裏側にはツアー中に亡くなったメンバー・Cliff Burtonの墓石がちらり。
The Velvet Underground – 『The Velvet Underground and Nico』
Andy Warholプロデュースによる本作でデビューした彼ら。発売初期に出荷されたものはステッカーをめくるとアンディ・ウォーホルのバナナの皮の中身が見られる仕様になっていたそうで、こちらはその再現。
作品をもっと楽しみたい方はこちら▽
https://www.flickr.com/photos/93699963@N04/with/8520311626/
②誰だって、いつかは
Jean-Marie Delbes、Hatim EL Hihiの両氏によるユニットが生み出す作品にちょっぴり切ない気持ちにさせられるのは筆者だけではないはず。
彼らは、過去の有名な作品ジャケットから既に亡くなってしまったメンバーを消すというシンプルかつ大胆な作業を実行しました。
こうして見ると胸が少し痛む気がします。
ですが時の流れには逆らえませんね。ハッとさせられました。
The Doors – 『Morrison Hotel』
ヴォーカル・Jim Morrisonの居ないドアーズ。ぽっかりと抜け落ちた穴の大きさにドキッとさせられます。
The Beatles – 『Abbey Road』
①でも題材として使用されていたこちら。二人になってしまったビートルズです。
John Lennon&Yoko Ono – 『Double Fantasy』
なんだかドンドンしんみりしてきちゃいますね。彼女の隣にはやっぱりジョンが居て欲しい。
Jeff Buckley – 『Grace』
若くして亡くなったアメリカのシンガーソングライター・Jeff Buckley。
ソロ活動のアーティストなのでそりゃそうなんですけど、もうぽっかりどころじゃないこの喪失感。
作品をもっと楽しみたい方はこちら▽
http://liveiseedeadpeoples.tumblr.com/
③撮影場所ってそれだけでなんか感動しませんか
写真家・Bob Egan氏による、様々なCDジャケットと撮影された場所とのモンタージュ。本人のWebサイトを見ると、相当なこだわりをもって撮影場所決めから角度まで決め込んで撮影に挑んでいたようです。
夢の世界が現実になったような感じ。
見ているとなんだかワクワクしてきちゃいます。
『West Side Story』
「ウェスト・サイド・ストーリー」のブロードウェイキャストによるオリジナル・アルバムのジャケット。
NY・ヘルズ・キッチン地区で撮影されたものだそうです。なかなかに精巧…!
Steely Dan – 『Pretzel Logic』
あー、居そう。(笑)
The Beach Boys – 『Pet Sounds』
めちゃめちゃ長閑。微笑ましい気持ちになります。
David Bowie – 『Ziggy Stardust』
上手い!レンガの並びにまでこだわって制作された様子がHPにて力説されています。
作品をもっと楽しみたい方はこちら▽
http://popspotsnyc.com/
④か、可愛すぎだニャー
ジャケットを飾るアーティストたちをなんとネコにしてしまったAlfra Martini氏の作品シリーズ。
どれも文句なしで可愛いです。これはズルい。
D’Angelo – 『Voodoo』
逞しい筋肉を見せつけるDさんも、彼女の手にかかればこんなに可愛らしくなります。
A Tribe Called Quest – 『Midnight Marauders』
一口にネコとはいえ、ちゃんと元の作品に沿った雰囲気を保っているのが非常に好印象。
Bob Marley&The Wailers – 『Legend』
なんというか、この絶妙な表情……元の作品と見比べてみても、かなり作りこまれている様子がうかがい知れます。
Joy Division – 『Unknown Pleasures』
してやられた感。素材を上手に活かした一枚です。
作品をもっと楽しみたい方はこちら▽
http://thekittencovers.tumblr.com/
⑤ネコではない、レゴだ
ロンドン在住のAaron Savage氏は、あのレゴを使っていろいろな有名ジャケットを再現しようと試みました。
Michael Jackson – 『Thriller』
レゴの柔軟性の無さが絶妙でジワジワきます。レ、レゴですからね…!でも可愛い。
Lily Allen – 『It’s Not Me, It’s You』
足短ぇ!!!(笑)
レ、レゴですからね………!
Madness – 『One Step Beyond』
UKのロックバンド・マッドネスの99年作。個人的にはこれ結構ツボです。
完全に倒れとるがな……
The Velvet Underground – 『The Velvet Underground and Nico』
シンプルさの勝利です。ていうかレゴにバナナってあるんですね。
作品をもっと楽しみたい方はこちら▽
http://www.damnfreshpics.com/2012/06/lego-album-covers-aaron-savage.html
さて、ということでいかがだったでしょうか。
見慣れたジャケットたちから広がる新たな可能性にドキドキワクワクして頂けましたか?
これから更にどんな作品が世に出てくるのか、大注目です。