1988年に発表したアカペラ多重録音による楽曲”Don’t Worry, Be Happy”が全米ヒット・チャートの首位を獲得、10度のグラミー賞に輝いた天才シンガー・Bobby McFerrin。
その一方で、Bobbyの実子にして現在のジャズシーン及びその周辺を賑わす気鋭のアーティストとして注目を集めるアーティスト・Taylor McFerrin。
時代を繋ぐようにして活躍するこの驚異の親子、一見異なる表現法をとっているように思われますが二人にはとても重要な共通点があります。
それが、声。
天から授かりし…などと言っても大袈裟ではない、と筆者個人的には思っているわけですが、
いわゆる「器楽的唱法(声がまるで楽器のような鳴り方をする歌唱法。Al JarreauやJimi Hendrixなんかも有名です)」の権威として知られる父・Bobbyは勿論のこと、一方でその息子・Taylorはずば抜けたセンスを持つトラックメイカーとしてだけではなく、自身の声を巧みに利用したヒューマンビートボックスの名手としても大きく評価されています。
ということで今回のSOUL iNDEXでは、受け継がれる「声の魔術師」の血、そのパフォーマンスに注目します!
いや、ホント凄いんですマクファーリン親子…。
驚異のパフォーマンスに是非じっくりと見惚れちゃってください。
それでは参りましょう!
Bobby McFerrin – 「Don’t Worry, Be Happy」
まずはじめにBobby McFerrinと言えば、ということでグラミー賞3冠を達成した代表曲”Don’t Worry, Be Happy”を。
伴奏に楽器を一切使っていない曲としては史上初の全米No.1を獲得したこの曲でBobbyは、自らの声を自在に変化させ、幾通りもの音を生み出し、とびきり温かで雄大な愛を表現しました。
今となっては見慣れた手法でもありますが、これを1988年にやったというのが、いやはやスゴイ。
当時のリスナーがリアルタイムで受けた衝撃、今ではもう想像することしかできませんがそれは恐らくとんでもなかったはずです。
彼のこの楽曲が後世のアーティストたちに多大な影響を及ぼしたのは言うまでもありません。
Performance with Chick Corea
2012年に行われたピアニスト・Chick Coreaとの共演。
超大物二人が魅せる”Spain”、そこに広がるサウンドは大自然の神秘すら思わせます。
思わず息を飲む名演です。
Performance with Joey Blake
こちらはバークリー音楽大学の教授という顔も持つアーティスト・Joey Blakeとの共演ステージ。
声と声がぶつかり重なりあい、表現のスケールを徐々に増していきます。
音楽は言語の要らないコミュニケーションだと言われますが、彼らのパフォーマンスもまさしくそういった空気を感じさせてくれます。
直接的な言葉はほぼ無いにも関わらず、まるで会話しているみたい。
4:15から終盤にかけての盛り上がりは圧巻です。
Jazz MixSession 2007
続いて息子・Taylorのパフォーマンスをチェックしていきましょう。
ハイセンスなヒューマンビートボックスに、冒頭から一気に引き込まれます。
素人目には何がなんだかわかりませんが、うっま……。
リズムパターンの展開に伴い、今度は左手で新たなサウンドを絡ませていきます。
これはまさにCOOL!
父・Bobbyが己の声と一対一で徹底的に向かい合ったのに対し、Taylorは彼が操るマイクまで含めた表現法を模索してきたのでは、という印象を持ちました。
マイクの性能を上手く活かして声を変化させていますよね。スゴイなー。
こちらは現代のジャズシーンに次々と鮮やかな衝撃を与えているシンガー・Jose Jamesとの共演映像。
Joseのステージに招待されたTaylor、新時代を担う二人が繰り広げる白熱のステージは要チェックです。
心地よい緊張感に包まれた空間の中で、研ぎ澄まされたセンスをぶつけ合い火花を散らす二人。
めっちゃめちゃかっこいいー…!
Performance Taylor McFerrin and his dad, Bobby
改めて、超人親子ですねこの人たち。(笑)
偉大な父を横に、どことなく照れくさそうなTaylorの素朴な表情にもご注目ください。(萌)
さていかがだったでしょうか?
親子二代に渡って音楽界に衝撃を与えてきたBobby McFerrin、そしてTaylor McFerrin。
昨年リリースされたTaylorのデビュー・アルバム『Early Riser』でも親子共演を果たしており、今後の展開、更なる活躍にも期待が高まります。
SOUL iNDEXでも、引き続き彼らの動向をチェックしていきますよ~!
ということで、今回はここまで!
SOUL iNDEX、また次回ッ!