日に日に増え続ける新たなアーティスト、新たな楽曲。
昨今はもう形式も様々で、CDリリースと一口に言ってはみても一般流通以外にも店舗や地域限定発売のものがあったり、一方でデータ配信も純粋にネットストアで買えるものだけではなく、SNSを介したフリーダウンロードをはじめとする様々な取り組みが日々新たに試みられているようです。
こうも情報が溢れた世の中にあっては、お気に入りのアーティストの動向を追うだけならまだしも、その他チェックしておきたいアーティストたちの活動を常に把握するのって結構大変ですよね…
アーティストの本人名義の作品はまだいいとして、厄介(って言っちゃうのもアレですが)なのがいわゆる『フューチャリング』ナンバー。
『コラボ作品』と言われるものと多少意味が違い、『フューチャリング』となると、フューチャリングされる側のアーティストは共同制作した相手、というよりもゲストとしての参加的な立ち位置になりがちのよう。
そのせいか全体として見た時にあまり大きく話題にならないことが多く、注意していないと見落としがちです。
とはいえその多くがその時限りの貴重な共演。
ひと際気合いが入った作品も多いのも事実です。
そこで今回は、つい見落としがちな『フューチャリングソング』たちを大調査!
掘り起こしてみるとそこには隠れた名曲がざっくざく…!?
ぜひぜひ今一度ご確認を!
それでは参ります。
Robert Glasper feat. Lalah Hathaway – 「Cherish The Day」
隠れた…とは言いつつも、まずは確実に押さえておきたいところからチェックしていきましょう。
第55回グラミー賞の最優秀R&Bアルバムを獲得したジャズ史に残るRobert Glasper Experimentの革命的アルバム『Black Radio』。
そこに収録された数々の名作の中から今回は、以前SOUL iNDEXでも特集した注目のシンガー・Lalah Hathawayをフューチャリングした”Cherish The Day”。
SADEの名作を大胆にカヴァーした名演です。
スタジオ版も良いですが、またこのライブがかっっっっっこいいんですよね……
超グルーヴィーですね。
三人の演奏と艶かしく絡み合うLalah Hathawayの歌声。こーりゃ素晴らしいわ。
先日のサマソニにも出演し、ジャズファンのみならず幅広い音楽ファンを魅了し大きな話題を呼んだRobert Glasper Experiment。
今後彼らは一体何をしでかしてくれるのでしょうか。
期待は高まるばかりです。
Q-Tip feat. Norah Jones – 「Life Is Better」
2008年リリースのQ-Tipにとって二作目となるアルバム『The Renaissance』に収められた一曲。
Norah Jonesの澄んだ歌声と共にゆったりとループし波紋を広げていゆくサウンドが心地良いナンバーです。
Me’Shell Ndegeocello feat. Herbie Hancock – 「Nocturnal Sunshine」
AIDS撲滅を謳い、1994年に発売されたコンピレーションアルバム『Red, Hot & Cool』に収められたナンバー。
フューチャリングというだけあって、縦横無尽に駆けまわるHerbie Hancockのピアノ捌きを存分に楽しめる一曲です。
Me’Shell Ndegeocelloのベースも超クール…若手でこれは完全に期待のホープですな。
Me’Shell Ndegeocelloの他、当時同じく若手としてメキメキ腕をあげていたRootsやGuru、Pharcyde、日本からはUFOなんかが参加し、Harbie Hancock、Ron Carter、Pharoah Sanders、Don Cherryらレジェンドたちと熱い競演を魅せた豪華盤。
未だ聴いていない方はぜひ探してアルバムを通して聴いてみてください!
Hunter Hayes feat. Jason Mraz – 「Everybody’s Got Somebody But Me」
2011年にデビューを果たしたカントリー界の新しい時代を創る若きスター・Hunter Hayesの2013年作。
二人の声、とても相性が良さそうですね。
寄り添い、溶け合う声がとっても心地良いです。
Taylor McFerrin feat.Nai Palm – 「The Antidote」
Jose Jamesや、先に取り上げたRobert Glasperと共演するなど、デビュー前からその実力が高く評価され、来たる9月に来日単独公演も決定している今代注目のアーティスト・Taylor McFerrin。
フューチャーソウルの旗手・Hiatus Kaiyoteのヴォーカル・Nai Palmをフューチャリングした「The Antidote」は、この曲が収録されたデビューアルバム『Early Riser』の中でも最もポップなナンバーと言えそう。
とはいえこの音にグイグイ飲み込まれる感じ…かなりHiatus Kaiyote的なサウンドですが、Taylor McFerrinのプロデューサーとしての手腕が俄然発揮されている様子がそこかしこで伺えます。
ちなみにタイトルの「The Antidote」は解毒剤という意味なんだそうです。
さていかがだったでしょうか?
つい見落としがちなフューチャリングソングですが、そこにはたくさんの隠れた名曲が潜んでます。
また他のアーティストと共演することで垣間見える、アーティストたちの新たな一面にもぜひ注目したいですね!
皆さんも、この機会に隠れた名作「フューチャリングソング」探しの旅に出てみませんか?
それではまた次回〜!