“I Can’t Help It”と言えば、1979年にリリースされたMichael Jacksonのアルバム『Off The Wall』に収録されたナンバーで、あのStevie Wonderが楽曲提供したことでも知られる名曲。
リリース以来多くの人々に親しまれ、MJの数ある代表曲のひとつとして、今日に至るまで世界中のリスナーから愛され続けています。
ミュージシャンたちの中にもこの曲のファンは多く、これまでにも様々なカヴァーが披露されてきました。
その中から今回のSOUL iNDEXでは、抜群の完成度を誇り、楽曲への愛情とオリジナリティに満ちた極上のカヴァーを厳選してご紹介したいと思います!
個性溢れる最高のパフォーマンスをお楽しみください。
それでは早速参りましょう!
Gretchen Parlato ヴァージョン
まずは現代ジャズ・シーンの代表格として強い存在感を示す歌姫・Gretchen Parlato!
タイトルでも触れた通り、探してみるとこの曲ってジャズ・ミュージシャンたちによるカヴァーがかなりの数あるんですよね。
今回もその中から幾つかご紹介しますが、いずれも個性的で秀逸な仕上がりとなっています。
Gretchen Parlatoは自身の2009年作『In A Dream』の中で、西アフリカ・ベナン共和国出身の天才ギタリスト/ヴォーカリストのLionel Loueke(リオーネル・ルエケ)と共演し、このカヴァーを披露しました。
Louekeの生み出す独特のリズムと音の波の上を、Gretchenの重力を感じさせない美しい歌声が自在に漂い、そうして二人が紡ぎだす音の世界はリスナーを瞬く間に魅了します。
筆者個人的にはGretchenもLouekeも、生命の息吹を感じさせる歌を歌う人だなぁと思っています。
これホントどこを切り取っても綺麗なんですよねー…うっとり。
Stevie Wonder ヴァージョン
というわけで、Stevie Wonderによるセルフ・カヴァー?とでも言えそうな、2012年のライブ映像をご覧ください。
こうして聴くと、もう完全にStevieの曲だなぁという印象を受けます。
大空を舞う鳥のような、Stevieのどこまでも自由で高らかな歌声がこの曲とよくマッチしていますね。
改めてこう言うのもなんですが、音楽って生きてるんだよな…とこの映像を見ながらしみじみ感じてしまいました。
Esperanza Spalding ヴァージョン
バークリー音楽大学を飛び級で卒業し、同校に史上最年少講師で迎えられるといった華やかな経歴を持つ天才ベーシスト/ヴォーカリストのEsperanza Spalding。
彼女の”I Can’t Help It”も、これまたスゴイんです…。
「あっそれ弾きながら歌っちゃうの????」って感じ。(笑)
もう上手すぎて意味がわかりません。。。
ベーシストとしてもヴォーカリストとしても、それぞれ超一流である彼女のパフォーマンスに是非とも圧倒されてください。
この人の演奏はいつ観ても生き生きとしていて心奪われます。
Maysa ヴァージョン
お次はIncognitoのヴォーカリストとしても知られるシンガー・Maysaによるライブ・パフォーマンス。
安心感を覚えずにはいられない、彼女の包み込むような温かさを持った歌声がこの曲が持つ優しいムードとぴったりマッチしていますね。
温かいだけではなく、なんて言うか、どっしりと底が広いんですよね、この人の声は。
母への信頼感に近い何某的なものを感じます。(笑)
そういえばIncognitoの”Still A Friend Of Mine”もMaysaがヴォーカルをとっていたような。
この人の声はずっと変わらないな~。
Kwabs ヴァージョン
お次は今注目のロンドン出身シンガー・KwabsことKwabena Sarkodee Adjepong。
ソウルフルで温かく、渋い歌声!!
アコースティックなアレンジがまたイイんですコレ。
2011年デビューという、まだまだこれからなアーティスト・Kwabs。
SOUL iNDEXイチオシ、ということで今後も注目していきたいと思います。
Robert Glasper Experiment ヴァージョン
最後を飾るのは、今ジャズ界のみならず音楽シーン全体にその影響を広げつつある、現代音楽シーンの革命児・Robert Glasper率いるRobert Glasper Experimentによる”I Can’t Help It”。
曲が見事なまでにGlasper色に染まっております。カッコイイな~~。
メンバーそれぞれの個性がぶつかり合いながらも、一つの楽曲としてこれ以上ないバランスとまとまりを感じさせるパフォーマンスです。
やっぱりこの人たちスゴイわ。。。
さていかがだったでしょうか?
ひとつの曲でこれだけの表情を楽しむことができるなんて、ホント贅沢な話ですね。
あー幸せ。。。
そして改めて、めちゃめちゃいい曲ですね!!!!
時代もジャンルも越えて愛される名曲、そのワケを少し感じることができたような気がします。
ということで、今回はここまで!
SOUL iNDEX、また次回~!