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Matome Article

2015年9月30日

【番外編】ハイエイタス・カイヨーテ来日公演レポート~変幻自在のミクスチャー・バンドが魅せた音楽の未来~

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本日のSOUL iNDEXはいつもとちょっぴり趣向を変えてお届けします。

 

題して『【番外編】ハイエイタス・カイヨーテ来日公演レポート~変幻自在のミクスチャー・バンドが魅せた音楽の未来~』!

 

5月には2枚目となるアルバム『Choose Your Weapon』をリリースし、予測不可能なミクスチャー・サウンドで世界中の音楽ファンを熱狂させたオーストラリアのフューチャー・ソウル・バンド・Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)が先週末遂に来日し、待望の日本公演を敢行。

Blue Note Tokyoで行われた1日限りの単独公演には多くのファンが詰めかけ、会場は熱気に包まれました。

 

また同公演の翌日には横浜・赤レンガ倉庫の特設ステージで開催された「Blue Note Jazz Festival in Japan」にトップバッターとして出演。
会場を大いに沸かせました。

 

Erykah Badu、?uestloveらも絶賛する彼らが切り拓く音楽の未来とは?

ジャンルの垣根を超え注目される4人の魅力とは?

 

ということで今回は、9月26日に行われたBlue Note Tokyo公演(1stステージ)の模様を、当日参加したSOUL iNDEX筆者の目線からレポートしたいと思います。

既に大ファンだという方も、まだ聴いたことないぞという方も、ぜひチェックしてみてください。

 

それでは参りましょう~!

 

 

めまぐるしく展開されるジャンル横断的なサウンド

hiatus1

Hiatus Kaiyote(以下HK)といえば、ネオソウルを軸に(と言いきれるかも怪しいですが)Flying Lotusのようなエレクトロニック・ミュージック的アプローチをしてみたり、はたまたインディーロックのようなテンションを魅せたりとジャンルレスに展開する縦横無尽なサウンドが魅力のひとつ。

今回のライブでも、その持ち味を十二分に活かした多彩なステージで観客を魅了しました。

 

暗転したステージにメンバーが上り会場の空気が緊張に包まれる中、最新作のオープニングを飾った”Choose Your Weapon“のイントロが流れると客席からは歓声が。

最新アルバムの楽曲を中心に構成されたセットリスト、そしてそれをスタジオ音源とはまた一味違うライブならではの引き締まったアンサンブルで魅せる4人に訪れた人々は熱狂しました。

 

独特のスピード感を伴って展開する彼らのサウンド、そこにはまるでジェットコースターに乗っているかのようなスリルと興奮があります。

特に中盤で披露された1stアルバム『Tawk Tomahawk』収録のナンバー”Boom Child“では、直前のMCで「音楽も私たちも生モノだから、常に違う表情を見せたいの」とヴォーカルのNai Palmが言っていた通り、アルバム音源とは異なるサウンドとリズムを伴った(しかもそれがまたコロコロ変わる)魅力的なアレンジで人々を驚かせました。

 

 

バンドの中心に坐すヴォーカル・Nai Palmのカリスマ性

hiatus2

今回のライブで圧巻だったのはヴォーカル・Nai Palmの圧倒的な存在感。

 

その強烈なビジュアルや特徴的な歌声を差し引いても余りある、生で観た彼女のカリスマ性には心の底から圧倒されました。。。

 

彼女が自身の歌を通して表現する身体の内に流れるリズムを起点にして、HKのサウンド全体は構築されているのではないか、そんな印象すら受けました。
Naiの存在があって初めて成立するバンドと言ってもいいかもしれません。

 

 

また個性的な歌い回しや声色も勿論のこと、筆者個人的に最も感動したのは彼女の豊かな歌心です。

 

グラミー賞にもノミネートされた代表曲”Nakamarra“を今回のライブではオリジナルよりも落ち着いたアレンジで披露した彼ら。

曲の終わりにかけてキーボードのSimon Marvinと二人だけになるシーンで情感たっぷりに歌うNaiのパフォーマンスには心が震えました。
Naiの歌声に寄り添うSimonの演奏もまた絶品だったんですよねー。。

 

 

異なる軸を持ったメンバー4人の魅力が爆発した大興奮のステージ

hiatus3

Naiの他にもHKには個性的かつ凄腕のメンバーが集結しています。

 

プロデューサーとしてのセンスも抜群のドラマー・Perrin MossはHip-Hop畑出身でビートメイカーだったという経歴を持つ人物。

昨今ネオソウル界隈で主流とされるビートのズレ、もたりが生み出すグルーヴ(D’AngeloやRobert Glasperと共演するChris Daveなんかに代表される<あの>感じ)をPerrinも当然取り入れているのですが、彼の叩くフレーズからはドラマーの本能というよりもやはりビートメイカーが生み出すビートのような印象を受けます。
実際に生で観ても、彼のドラミングには叩きたい欲求よりもビートに対する好奇心の方が強く滲んでいるような気がしました。

 

そしてベースを担当するのはPaul Bender
ジャズをアカデミックに学んできたというだけあってベースの安定感、反応の速さは天下一品。
各自好きなことをして暴れまわるHKの面々を統率する頼れる兄貴的な存在です。

 

キーボードは先にも触れたSimon Marvinが担当しています。
三台のキーボードを巧みに操る彼の姿から溢れだすジャンルを超越した「鍵盤楽器オタクっぷり」に大興奮したのは筆者だけではないはず。
本当に、凄まじいプレイでした。

一方でクラシックの素養もある彼がヴォーカル・Naiと共に紡ぎだすハートフルな世界観に感動した、というのは前述の通り。

 

このように出自の全く異なる4人の個性がぶつかり合い溶け合った「Hiatus Kaiyote」というひとつの個体は、まだまだ底知れぬパワーを持って音楽の未来に向かって走り続けます。

 

 

公演当日は立ち見が出るほどの大盛況でした。
今最も注目すべき存在として禍々しいまでの光を放ち我々を圧倒するHiatus Kaiyote。

彼らの動向から目が離せません!

 

 

SET LIST –2015.09.26 @Blue Note Tokyo 1st stage

01. Choose Your Weapon (2)
02. Mobius Streak (1)
03. Shaolin Monk Motherfunk (2)
04. Laputa (2)
05. Doom
06. Nakamarra (1)
07. Jekyll (2)
08. Borderline With My Atoms (2)
09. Boom Child (1)
10. BreathingUnderwater (2)
11. Molasses (2)
12. By Fire (2)
Enc. World It Softly Lulls (1)

(1)=Tawk Tomahawk (2012)
(2)-Choose Your Weapon (2015)

 

ちなみに同日の2ndステージでは、1stでは披露されなかった”Swamp Thing“も披露されたようです。いいなー!!

 

ということで、最後は今回の日本公演で惜しくも披露されなかった2ndアルバム収録の”Building A Ladder“で締めたいと思います。
YouTube Preview Image
(筆者はこれを生で聴けるまでは死ねません。。。)

 

ということで以上!

それではSOUL iNDEX、また次回ッ

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