これまでにもSOUL iNDEXでは数々の名曲カヴァーをお届けしてきましたが、今回はその中からこんなテーマでお送りします!
ズバリ!
『大胆すぎる!?アレンジが光るR&B・ソウルのびっくりカヴァーまとめ』!
ということで、もはや元ネタが思い出せないレベルの大変身を遂げた、アレンジの妙が光る名カヴァーたちをオリジナルと併せてご紹介しちゃいます。
カヴァーを聴いた後にオリジナルに戻るとまた新しい発見があったりして面白いのでぜひぜひ聴き比べてみてくださいね!
それでは早速参りましょう!
Robert Glasper Experiment – 「So Beautiful」(Musiq Soulchild Cover)
まずは、近年俄然注目度の高まるジャズ・シーンにおける最重要人物・Robert Glasper率いるRobert Glasper Experiment。
グラミー受賞を果たした彼らのアルバム『Black Radio』にも参加した実力派シンガー・Musiq Soulchildの2009年作”So Beautiful“をカヴァーした彼らは先月そのライブ映像を公開し、大きな話題を呼びました。
Musiqの圧倒的なヴォーカルの代わりを務めるのはGlasperのピアノ。
それぞれの楽器が呼吸をするようにして絡み合うサウンド、広がり続ける音の波紋にうっとりです。
So Beautiful、ですなぁ…(言いたかっただけ)(なんてこたぁない)
後半サビにかけてサウンドの厚みが増し歌声の力に先導されるようにして盛り上がりをみせる原曲とは違い、カヴァー版では胸のうちで赤く燃え盛る闘志のような「静」のエネルギーがリスナーを魅了します。
▼オリジナルはこちら▼
https://www.youtube.com/watch?v=LgPpowVNEfE
Jason Moran feat.Me’Shell Ndegeocello – 「Ain’t Misbehavin’」(Fats Waller Cover)
続いてはこちら!
NY生まれのジャズ・ピアニスト・Fats Wallerの代表作にして、ジャズ・スタンダードとして多くのシンガーに親しまれてきた”Ain’t Misbehavin’“。
これを、テキサス生まれのジャズ・ピアニスト・Jason Moranが自身の2014年作『ALL RISE』の中でゲストにあのMe’Shell Ndegeocelloを迎え、大胆にアレンジしカヴァーしてみせました。
メリハリに優れ、特に後半にかけて徐々に膨らんでゆく展開の美しさが心揺さぶる良作です。
お恥ずかしながらはじめにこの曲を聴いた時点で筆者はオリジナルの存在を知らなかったのですが、原曲を聴いたらあまりの違いにぶったまげました。
音楽の可能性 is 無限大……。
というわけで、既にご存知の方もそうでない方も、オリジナル版をチェックチェック!!
▼オリジナルはこちら▼
https://www.youtube.com/watch?v=PSNPpssruFY
さかいゆう – 「Close To You」(The Carpenters Cover)
数々の色あせない名曲を世に送ってきたThe Carpenters。
その中でも彼らの名を世に知らしめた代表作”Close To You“、これを日本のシンガー・ソングライター・さかいゆうがカヴァーしたヴァージョンがこちらです。
ラジオの企画で行われたもののようですね。
グルーヴィー且つ、聴いているだけでこれだけ優しい気持ちにさせてくれるのは、彼のサウンドと歌声ならではですね。
音の中をいつまでも漂い続けていたくなります。
有名すぎて今さら確認するまでもありませんが、でもここで改めてオリジナル聴くとホント「うおぉ…」ってなるのでオススメ。
▼オリジナルはこちら▼
https://www.youtube.com/watch?v=iFx-5PGLgb4
「うおぉ…」が何に対しての「うおぉ…」なのかは人それぞれです。
Becca Stevens Band – 「There Is A Light Never Goes Out」(The Smith Cover)
続いては、今年に入って来日公演も行うなど今注目度急上昇中のシンガー・ソングライター・Becca Stevens率いるBecca Stevens Band。
これまでにも何度かご紹介している通り、ジャズ・シンガーでありながらUsherやFrank Oceanなど一見異なるフィールドのアーティストたちの楽曲をこともなげにカヴァーし、そのクオリティに絶賛が寄せられる彼女ですが、特に近年はインディー・ロックへの傾倒が見られるよう。(自身のオリジナル楽曲の中にもその傾向は見ることができます)
今回ご紹介するのは、80年代のイギリスでインディ・バンドとしては最大の成功を収めたThe Smithの代表作”There Is A Light Never Goes Out“のカヴァー。
彼女たちのパフォーマンスを観ているとこれが何かのカヴァーだなんて微塵も思えないくらい、楽曲を完璧に自分たちのものにしています。
ほーんとスゴイ…。
またこの人たち、カヴァーの題材に選ぶ曲のチョイスがいちいち素晴らしいんですよね。そうくるかー!って感じ。
今後の動向に注目です。
▼オリジナルはこちら▼
https://www.youtube.com/watch?v=n-cD4oLk_D0
Travis Sullivan Bjrökestra – 「Hyperballad」(Bjork Cover)
Becca Stevens繋がり、ということで最後はこちら!
「ビョーケストラ」、というわけでなんとなくお察しの方もいるかと思いますが、他を圧倒する存在感でシーンの先頭を走り続けるポップ・アーティスト・Bjrökの楽曲を、オーケストラ(というかビッグ・バンド)編成に大胆アレンジして聴かせるのがこの18人編成のジャズ・ビッグ・バンド・Travis Sullivan Bjorkestraです。
バンド・リーダーはアルト・サックス・指揮・アレンジを一手に引き受けるTravis Sullivan。
彼を中心に、NYダウンタウンのジャズ・シーンを支える若手アーティストが集ったこの集団は、2004年にNYでセンセーショナルなデビューを飾ったかと思うと瞬く間に世界中の注目の的となりました。
あ、で何が「Becca Stevens」繋がりかと言うとですね、このバンドのヴォーカルを務めるのが何を隠そうBecca Stevensなんです。
彼女の独特のアーティキュレーション、アクセント、そして温かな歌声が、バンドの中に次々と湧きおこる未知のサウンドを一つのあるべき形へとまとめあげる様子は圧巻の一言。
全てを司る天性の歌声とでも言えそうな感じ……。
今回ご紹したのは、Björkの代表作”Hyperballad“。
色を変え、形を変え、うねるサウンド、その世界観にきっと多くの人が魅了されるはずです。
そしてやっぱりここでも、ぜひオリジナルと較べてみてくださいね。
両方じっくり聴こうと思うとなかなか体力要りそうですが……。
▼オリジナルはこちら▼
https://www.youtube.com/watch?v=26sP2WsA5cY
さていかがだったでしょうか?
同じ曲でこんなにも違う表情を見せてくれたりとかするもんだから、やっぱり音楽って底が知れませんね。あぁ楽しい。。。
というわけでSOUL iNDEX、今日はここまで!
また次回~!