毎年恒例となったグラミー賞のノミネートが先日発表されました。
「もうそんな時期か~、年の瀬か~~。あヤバい大掃除のことなんも考えてなかったどうしよ帰省いつにしよ~~~~。」って感じですね。
ズラリと並んだ候補者・作品のリストに目を通していたらようやく年末の実感がわいてきました。
第58回目となる授賞式の開催は来年2月15日(月)です。(日本でも16日(火)午前9時よりWOWOWにて生中継される予定)
日曜日に行われるのが定例ですが、今回は2月15日がワシントン誕生日(大統領誕生日)でアメリカでは祝日となるため、月曜の開催となっているよう。
ということで2か月後目にするであろう数々のドラマに想いを馳せつつ、今回のSOUL iNDEXではノミネートされた作品・パフォーマンスをチェックしながら2015年のミュージック・シーンを振り返っていきたいと思います。
数多くの候補の中でも今回は特にSOUL iNDEX的に見逃し厳禁!なものをピックアップしてお届けしちゃいますよ~!
ということで、それでは参りましょう!
Kendrick Lamar
2015年のミュージック・シーンに最も大きな衝撃を与えたと言っても過言ではない、カリフォルニア出身の人気ラッパー・Kendrick Lamar。
大方の予想通り今回のノミネートにおいて最多となる計11部門を彼が一手に受けたことで、その功績に改めて称賛の声があがっています。
Lamarの最新作『To Pimp A Butterfly』は米Rolling Stone誌が先日発表した2015年ベスト・アルバム選で1位に選出され、さらに「音楽においても、歌詞においても、表現されている感情においても、彼の3作目は比類なき傑作である」とのコメントを受けました。
サウンド面だけでなく、人種問題を真正面から扱ったその内容、溢れ出る怒りは人々を強く魅了し、今年を象徴する作品として今まさに歴史に名を刻もうとしています。
Lamarがノミネートされたのはアルバム・オブ・ザ・オヤー部門、最優秀ラップ・アルバム部門、さらにアルバムに収録されているPharrell Williamsプロデュースの”Alright“がソング・オブ・ザ・イヤー部門、最優秀ラップ・ソング部門、最優秀ラップ・パフォーマンス部門、最優秀ミュージック・ビデオ部門…などなど。
果たしてこの中から一体何冠を達成してくれるのか、楽しみですね!
D’Angelo
続いては、およそ15年に渡る沈黙を破り突如復活、以降精力的な活動を続けるD様ことD’Agenlo。
今年はサマソニ出演からの単独公演と、日本のDファンにとっても非常にエキサイティングな一年でしたねー!
そして早くも来年3月には横浜・大阪の二会場で再びの単独公演も決定しました。
10年以上待って待って、待ち続けて待つことに慣らされた多くのファンはこの発表を途方もない喜びと少しの戸惑いをもって受け止めたようですが(笑)(まぁそりゃそうですよね、生のD様を拝む機会が一年以内に二度も訪れるなんて……)何はともあれ万歳三唱!待ちきれなーーーいッ!
さてそんなD様がノミネートされているのは最優秀R&Bアルバム部門(『Black Messiah』)、レコード・オブ・ザ・イヤー部門(同アルバムから、”Really Love“)、最優秀R&Bソング部門(”Really Love“)の計3つ。
世界が熱狂したカリスマの復活劇に、”グラミー受賞”という華を添えることはできるのでしょうか?
Hiatus Kaiyote
続いてはSOUL iNDEXでもこの一年声高に推してきました(笑)、オーストラリア・メルボルン発の4ピースバンド・Hiatus Kaiyote。
5月にリリースされた2ndアルバム『Choose Your Weapon』は、1st以上を遥かに上回る彩度と研ぎ澄まされたリズムと音の応酬でジャンルを超え様々なメディアから高い評価を受けました。
『Choose~』を引っ提げて行われた世界ツアーの一環として、9月には初となる日本公演も実現。
Blue Note Tokyoで行われた白熱の単独公演の翌日には今年初開催となったBlue Note Jazz Festival in Japanにてパワフルなパフォーマンスを披露し、日本のファンを沸かせました。
そんな彼らは同アルバムに収録された”Breathing Underwater“のライブパフォーマンスで最優秀R&Bパフォーマンス部門にノミネートされています。
1stアルバムのリード曲となった”Nakamarra“でも、今回と同様グラミー賞最優秀R&Bパフォーマンス部門の候補になっていた彼ら。(第56回授賞式)
前回は惜しくも受賞を逃しましたが、今度こそ獲ってほしいですね~!
Ed Sheeran
UK出身の新進シンガーソングライター・Ed Sheeranは昨年に続いてソング・オブ・ザ・イヤー部門の候補に。
ノミネート対象となった”Thinking Out Loud“は世界中で大きくセールスを伸ばし、今年6月には「UKで1年間トップ40にチャート・インし続けた初のシングル」という記録を樹立しました。
先日発表された2015年の全米年間シングル・チャートでも2位にランクインするという快挙を達成しています。
「70歳になっても23歳の今と同じように愛し続けるよ」という歌詞に胸がキュンとした人も多いのではないでしょうか…♡
きらめくエネルギーに満ちた若き才能の快進撃に期待です。
Lalah Hathaway
続いてはRobert Glasper、Snarky Puppyら現行のシーンの鍵を握るアーティストたちとの共演で圧巻のパフォーマンスを披露し、昨年、一昨年と見事グラミー賞を獲得してきたLalah Hathaway。
3年連続受賞への期待が高まる今回、彼女は偉大なる父・Donny Hathawayの名曲”Little Ghetto Boy“のカヴァーで最優秀R&Bパフォーマンス部門にノミネートされています。
父譲りの煙るような色気と深みを湛えた彼女の歌声は、世界中のファンの心を魅了し続けています。
歌ひとつでここまで表現できるって本当に素晴らしいことですよね。
賞の行方と共に、2016年のさらなる活躍にも期待が膨らみます。
Common feat. John Legend
お次はシカゴ出身のラッパー・Commonとシンガーソングライター・John Legendがタッグを組み、キング牧師の伝記映画『Selma』のために制作した”Glory“。
昨年の第57回グラミー賞授賞式のエンディングで披露され話題を呼んだ同曲、そのせいで昨年既にノミネートされていたイメージがあるという人も多そうですが、選考時期の関係で今年のノミネートとなったようです。
黒人が今も昔も闘い続ける人種差別の歴史をつなぐメッセージを、二人はそれぞれのやり方で表現し、音楽を通して社会に痛烈なパンチを繰り出しました。
およそ一年前の楽曲ではありますが、今回のノミネートをきっかけとしてもう一度この作品が多くの人の耳に届くことを願ってやみません。
Mark Ronson feat. Bruno Mars
ということで最後にご紹介するのはMark Ronson feat. Bruno Marsで”Uptown Funk“!
こちらもリリース自体は昨年なのですが、”Glory”と同じく選考時期の関係で今年のノミネートとなっています。
世界的ヒットとなった同曲、特にラジオとの相性は抜群だったようで、各局で年間を通してまさしくヘビーローテーションされ広く愛され続けました。(事実、ビルボードが先日発表した2015年の年間エアプレイランキングでは一位を獲得)
過去のスタイルを踏襲しつつも現代的な切り口を忘れないサウンドと今世紀No.1エンターティナーとの呼び声高いBrunoのアツいパフォーマンスが、2015年のミュージック・シーンの盛り上げに大きく貢献したことは誰の目から見ても明らかです。
2015年最高のエンターテインメントは、果たして賞を獲ることができるでしょうか?
さていかがだったでしょうか?
こうして見ると、今年も刺激的な作品が多く生まれた良い一年でしたね~!
来年2月に控えた授賞式が非常に待ち遠しいです。
そしてまた、来年は一体どんな素晴らしい音楽が誕生し我々を魅了してくれるのでしょうか。
たくさんの期待に胸を膨らませつつ、SOUL iNDEX今日はここまで!
また次回~!