うだるような暑さが続く今日この頃……、皆さん、夏バテなどしていませんか?
太陽が容赦なく照りつけるこんな季節を、筆者はビール・素麺・アイス、そして音楽をお供になんとか過ごしています。
さて、皆さんはこの時期一体どんな音楽を聴いてるでしょうか?
今回SOUL iNDEXから皆さんへ、まさに今の時期聴いてほしい極上ミュージックとしてご紹介するのはズバリ、夏の定番・ブラジリアンミュージック!
「そんなこと言われてもブラジルのアーティストとか全然知らないし、音楽自体馴染みもなくて取っ付きづらい…」と顔を曇らせたそこのアナタ、ご安心ください。
数あるブラジリアンミュージックの魅力の中でも確実におさえておきたいのが、音楽そのものが持つキャパの広さ。
ブラジリアンミュージックはこれまでの長い歴史の中で、様々な音楽の要素をジャンルの垣根を超えて取り入れ、掛け合わせ、独自の文化として見事に昇華し、そして発展してきました。
その抜群のバランス感覚、センス溢れるクロスオーヴァー感は幅広い音楽ファンの心を強く揺さぶるものです。
それは勿論、私たちソウルファンにとっても同じこと。
ということで今回は、未だアグレッシブに進化を続けるブラジリアンミュージックの中でも、ソウル/ファンク/アシッドジャズファンにオススメしたい作品をぎゅぎゅっと凝縮してご紹介!
思わず踊りだしたくなるもの、聴き心地の良さにうっとりと耳を傾けてしまうものなど、ヴァリエーション豊かにお届けします!
ぜひチェックしてみてください。
それでは参ります!
Sergio Mendes feat. The Black Eyed Peas – 「Mas Que Nada」
1960年代に大ヒットを飛ばしたSergio Mendesのオリジナルの雰囲気を崩すことなく、The Black Eyed Peas主導でセンス良くまとめた良作。
冒頭でもお話ししたブラジリアンミュージックが持つ「キャパの広さ」を見せつけてくれる作品となっています。
それまでのSergio Mendesとはひと味違う、そしてそれまでのThe Black Eyed Peasとも違う、コラボレーションが生んだ新たな奇跡!
情熱的でありながらも大らかで心地良い絶品サウンド、必聴です。
作品が収録された『Timeless』というアルバムには彼らの他にもJohn LegendやJustin Timberlake、India.Arieなど様々な大物アーティストが参加し、質の高い作品を聴かせてくれています。
ソウル・R&Bファンには取っ付き易いかも?
気になる方はそちらもぜひぜひチェックしてみてください〜
Joyce – 「Diz Que Eu Tambem Fui Por Aí」
1968年のデビュー以降、長きに渡って活動を続ける、いわゆる「ボサノヴァ第二世代」を代表する歌姫・Joyce。
この人の作品は、兎にも角にも音が綺麗。
彼女の伸びやかで透明感溢れる歌声に思わず聴き惚れてしまう人も多いはず。
美しくも芯のある歌声、なんだか天まで届きそう、なんて思ってしまうのは私だけでしょうか?
ボサノヴァに馴染みがなくともこの人の作品はどれも聴きやすいと思うので入門編にオススメです。
Ed Motta – 「Manoel」
稀代のサウンド・クリエイターでレコード・コレクターでもあるEd Motta。
ブラジル屈指のグルーヴ・マスターと言われる彼の、最高にグルーヴィーで振り切れたクールなナンバー!
どうでもいいですが、彼が持つとギターが小さく見えて可愛いですね。
この感じは幅広いジャンルの音楽ファンにウケそう。
Sabrina Malheiros – 「Connexão」
お次は、懐かしさと新しさが同居したようなサウンドが印象的なジャズ・ボッサ。
ボサノヴァの新世代の筆頭シンガーとして活躍を続けるSabrina Malheiros。
ブラジルを代表するフュージョンバンド Azymuthのベーシスト・Alexandro Malheirosの愛娘としても知られる彼女ですが、その実力はホンモノ。
聴けばアナタも、歌声に宿る彼女の魅惑的な表情に思わずドキッとさせられることでしょう。
聴く者を翻弄する、クールでセクシーで滑らかな歌声、ぜひぜひ聴いてみてください。
Azymuth – 「Fly over the Horizon」
先ほどご紹介したSabrina Malheirosの父・Alexandro Malheirosが所属するブラジリアンフュージョンバンド・Azymuthの1979年作です。
こちらの曲、「あれ?聴いたことある…?」という人もいらっしゃるのでは。
実は本作、1978年から2001年までNHK-FMで放送されていた人気番組『クロスオーバーイレブン』のテーマ曲に起用されたことで、特に日本で長きに渡って親しまれた作品です。
表情豊かな鍵盤の音色に、なんだか懐かしさがこみ上げます。
思わず聴き入ってしまいますね。
Banda Black Rio – 「Louis Lane」
本日ご紹介した大半の曲と同じく、《Far Out》というUKのレーベルから発表された作品であるこちら。
そう、実はブラジルのレーベルではないんですよね。(笑)
《Far Out》は、クラブシーンにおけるブラジリアンミュージックの流布に貢献するという明確な意図を持って、長年DJやレコード・プロデューサーとして活躍してきたJoe Davisが1994年に設立したレーベルです。
ということを踏まえて聴いてもらえればこちらはすんなり納得していただけるはず!
1970年代以降のブラジリアン・ファンク/ソウルを語る上では外せない最重要グループ・Banda Black Rio、彼らの熟練アンサンブルがモダンに響き渡る傑作です。
クラブシーンに焦点を合わせているということもあって、同時期に台頭していたGilles Peterson主宰のレーベル《Acid Jazz》とも相通ずるものがありますね。
ということでアシッドジャズファンの皆さんはチェック必須です。
《Far Out》では新しい作品だけではなく、かつてヒットした往年のブラジリアンミュージックの復活も目論んでいるのだそうで、本日ご紹介したJoyceやAzymuthなど言わば巨匠クラスのアーティストたちの作品が、90年代以降このレーベルから積極的にリリースされています。
かつて多くの人々に親しまれたサウンドは、今の若い世代にとって新鮮に響いているみたいですね〜
そうしてブラジリアンミュージックは、今日もまた夏の太陽の下で世界中の人々を熱狂させています。
さていかがだったでしょうか?
ブラジルの音楽って本当に音が豊かで、そして色鮮やかですよね。
キラキラと零れ、溢れる色とりどりの音の粒が、太陽に照らされてなお一層の輝きを魅せる。
まさしく、夏に愛された音楽だと思います。
今回ご紹介したように、一口に「ブラジリアンミュージック」とは言ってもそのサウンドは非常に多彩で、幅広い音楽ファンの心をくすぐるものです。
ぜひアナタもこの夏様々なブラジリアンミュージックに触れてみてはいかがでしょうか?
まだまだアツく、この季節を楽しんでいきましょう!
ではまた次回〜!