たとえば職場、たとえば美容院などで、初めて会ったにも関わらず相手と一対一で一定の時間会話をしなければならない場面ってありますよね。
自己紹介に始まり、お題が趣味の話となったあたりで「音楽が好きです」と答えたあとありがちなのが
「え、どういう音楽聴かれるんですか?」
という返し。
こういう時皆さんどうしてますか?
ネオソウル好きの筆者は当然その旨を伝えたい衝動に駆られるのですが、「ネオソウルです」と言ったところで話がスムーズに進展することはそう無い。無かった。
そうなるとここでワンクッション、ジャンルについての説明を加えなきゃならなくなるわけです。
これがまーめんどくさくてめんどくさくて…
ということで(?)今回は、「ネオソウルって何なの?」と訊かれた時に「つべこべ言わずにコレ聴いとけやァァ!!!」と相手の面前にドヤ顔で叩きつけてほしい、究極のザ・ベスト・オブ・ネオソウルなアルバムを厳選してご紹介します。
どれもこれも名盤ばかりなのでファンの皆様にはお馴染みもお馴染みかと思いますが、年の瀬ですし改めて各名盤に耳を澄ませて一年たくさんの新しい音楽を吸収してきた耳と心を休めて整理するのもいいかも。
それでは早速参りましょう!
Erykah Badu – 『Baduizm』
まずは1997年リリースのこちら。
圧倒的存在感でネオソウル界のクイーンとして君臨し続けるアーティスト・Erykah Baduのデビュー作です。
この作品が当時のR&B界に与えた衝撃は相当なものでした。
Common, D’Angelo, Jay Dee, James Poyser, Pino Palladinoらと共に《Soulquarians》の一員として、90年代の中期以降活発な活動を展開していたErykah様。
『Baduizm』は彼女にとって、そして彼女らによって火付けられたネオソウル・ムーヴメントにとってのまさに代表作と言える一枚です。
音作りから全体の構成、各楽曲の内容どれをとっても完璧と言えるほどのクオリティ。
丹念に研ぎ澄まされたサウンドには思わず息を飲みます。
いやこんなの突然出てきたらそりゃビックリして叫ぶわ…
ジャケットもカッコイイですよね。
彼女のトレードマークとも言えるヘッドラップ(頭に巻きつけているターバン)、黒人女性を象徴する凛々しく美しい一枚。
筆者が洋楽を聴き始めて間もない大学二年の秋に、当時可愛がってくれた先輩からまさに「まぁいいからコレ聴いてみ」と聴かせてもらったのが”Apple Tree”であり、『Baduizm』でした。
ということで筆者個人的にも思い入れの深い一枚です。
D’Angelo – 『Voodoo』
2014年もそろそろ終わり、というタイミングで突如浮上し、待望の新譜の発表で人々の話題を掻っ攫っていったD’Angeloの代表作。
2000年作…なのでもう14年も前か…。
HipHop的に反復しながらタイトに刻まれるビート、作品全体を貫く驚くほどのブラックネスに、当時のR&B/ソウル界全体が酔わされ惑わされることとなりました。
以降伝説として語り継がれる作品となりその名を轟かせることとなった本作。
個人的にはやっぱりQuestloveのドラミングに衝撃を受けずにはいられなかったなぁ。
一時代を築き、その象徴となった大名盤です。
Me’Shell Ndegeocello – 『Plantation Lullabies』
1993年にリリースされたMe’Shell Ndegeocelloのデビュー・アルバム。
「alternative HIP・HOP」=「Hip-Hopを覆す」というコピーを掲げてデビューした彼女、そのマルチな才能を堪能できる一枚です。
ベーシストとして、ヴォーカリストとして、それぞれ類まれなる才能を持ち合わせた彼女が本作の中で繰り出すサウンドは荒々しく、しかしそれでいて端正。
強烈にタイト且つアクティブなグルーヴ、いやーこれはシビれます。
<h3>Maxwell – 『BLACK summer’s night』</h3>
NY出身のソウルシンガー・Maxwellの自身4枚目となる2001年作。
この後続く3部作の第一作目として位置づけられた作品です。
彼の持ち味である美しいファルセットをたっぷりと楽しめるできるのは勿論のこと、バックを支えるバンドの徹底したクオリティ 、その生々しいサウンドにはもう最初から最後までドキドキしっぱなしです。
ファンク、ロック、そしてドラマチックなバラードまで一枚を通して様々な表情を見せてくれるMaxwell、ウーン、何度聴いてもあからさまにカッコイイ。
ズルいなーこれは。
Chris Daveを始めとするバックバンドのGOODパフォーマンスも要チェックです!
Janelle Monáe – 『The Electric Lady』
さて最後は、これまでに紹介したネオソウルの名盤たちから流れを引き継いだ「フューチャーソウル」と言われるジャンルに区分されるアーティストの注目作をあわせてご紹介します。
2010年にアルバム『The Archandroid』でデビューしたJanelle Monáe。
2719年のメトロポリスからやってきたという彼女、モノトーンのタキシードに大胆なポンパドール頭で歌い踊るその姿に人々はあっという間に大きな関心を抱くようになりました。
R&B、ポップ、ロックから、映画音楽風のスコアまで、様々なタイプの音楽が凝縮されたサウンド、その質の高さはミュージック・シーンを新たな次元へと押し上げます。
彼女は一体何者なのか、今度はどんな新しい音を聴かせてくれるのか……
冒頭でご紹介したErykah Baduも、彼女に魅了されたうちの一人。
ということで昨年リリースされた彼女の最新作から、JanelleとErykah様の共演ナンバーで本日はフィニッシュです!
さていかがだったでしょうか?
最高の名盤ばかり集めてお届けしました。
改めて並べてみると壮観…!
ネオソウルの布教にぜひぜひご活用くださいね♥(笑)
それではSOUL iNDEXまた次回!